日本の宇宙産業の指導者は、なぜ準軌道宇宙旅行を無視するのでしょうか?
他の国々、特にアメリカおよびヨーロッパでは、いくつかのチームが準軌道乗客宇宙旅行を開発するために動き始めています。これは人気の高い新事業になり、軌道上の観光旅行へ発展するでしょう。日本はRVTと観光丸により、優れた仕事を行いました。しかしながら、JAXAの首脳陣はこの新しい活動に投資することを拒みます。たとえそれが、彼らが支持する高価な、損失を作る活動よりはるかに大きな経済的価値を持っていたとしてもです。
2003年6月14日の毎日新聞にはJAXAの宇宙旅行に対する考え方が書かれています。
『.. 国際宇宙ステーション活動に参加するだけで、年間400億円前後の費用がかかっている。独自の有人活動となると、さらに資金が必要だ。しかし、新機関の年間予算はNASAの10分の1の約1900億円にとどまる見通しだ。宇宙開発事業団の山之内理事長も「現時点では、日本独自の有人飛行計画に着手できる状況ではない」との立場をとる。宇宙開発委員会の井口雅一委員長も「この10年は、ロケットの信頼性向上など、将来の基礎固めをすべきだ」と話している。』
上記の二人の話は準軌道の有人宇宙活動を全く無視しています。ただし、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山之内理事長と宇宙開発委員会の井口委員長は準軌道用有人宇宙活動の魅力について聞いたことがないわけではありません。宇宙開発事業団顧問の狼嘉彰慶應大学教授がスピーチの中で宇宙旅行について述べています。『.. 海外で話題になっているサブ・オービタル・フライト(=準軌道飛行)は、日本の取り組める有人飛行のひとつのオプションではないかと思っています。
.. 昨年のフュートロン社の調べでは、毎年およそ1万5千人以上、年間7億ドル以上の売り上げがサブ・オービタルではありそうだということです。大半の人は宇宙から地球を見たいということで、かなりの需要が見込めると言っています。』これは、2003年1月24日に行われた宇宙科学研究所
第21回 システム計画研究会における狼嘉彰教授のスピーチの一部です。
他の宇宙活動が全て赤字で縮小している現状では、JAXAの予定している「宇宙観光旅行拒否政策」は正しくありません。準軌道用再使用型有人ロケットの開発と運航は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の予算の数%だけで数年中に実現することができます。
旧宇宙科学研究所(ISAS)の世界で唯一の再使用型ロケット実験機・RVTの開発チームに、年間100億円の予算があれば、日本もこれから急成長するであろう準軌道宇宙観光旅行産業に大いに参加することができます。
|