若者の宇宙旅行へのマニフェスト

− 若い世代にとって希望あふれる未来を −

 若者たちは日本の将来です。

 日本の人口の数割は若い世代でもあります。だからこそ、政府はこれからの時代を作る若い世代が未来への希望を持つような政策を作るべきです。

 まず第一に、若い世代の多くは宇宙に興味があり、皆宇宙へ言ってみたいのです。これは、冗談や夢物語ではなく、宇宙旅行に関する調査や世界のマーケティング企業の調査結果からも表れる重要な事実です。
 数十年前から日本では「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」「オネアミスの翼」「プラネテス」などのアニメーションの影響で、若い世代の多くは自分自身が宇宙へ行く体験を強く望むようになっています。

 宇宙へ安く、安全に行って帰ってくることは、決して難しいことでも不可能なことでもないのです。このことは事実で、嘘や誇張ではありません。宇宙局のスタッフはこの事実をずっと前から公に積極的に公表することなく隠してきましたが、「準軌道」の宇宙旅行であれば、無重力時間が数分だけですが、宇宙旅行への最初のステップとしては十分に楽しい宇宙への旅を体験することができるでしょう。

 おかしなことに宇宙政策を担当している責任者の人達は、この可能性の多くを納税者に全く教えようとしません。しかし、政府宇宙活動の全体の予算のほんの数%だけ使えば、こういうサービスは簡単に達成できます。

 現在、日本が独自に宇宙旅行事業をおこなう為に一番確実性の高い方法は、JAXA RVTチームがRVTの研究開発を延長し、「宇宙丸号」プロジェクトを実現することです。予算さえあれば、3年以内に、数人乗りの短段式垂直離着陸型の再使用型準軌道ロケットの開発を実現できます。

 1993年に宇宙旅行に関する世界初の市場調査が日本で行われました。これによって、宇宙政策の責任者の人々は、若者がいかに宇宙へ行きたいか、宇宙旅行事業がどれだけ経済的な価値が高いのかを知りました。それにもかかわらずその後、彼らは経済価値が高くない宇宙活動に2兆円以上費やし、新しい安定した宇宙ビジネス市場を作っていません。
 それらの活動に費やした金額のたった2%を使うだけで、日本は世界で最初の準軌道宇宙旅行サービスを行えたのです。この準軌道宇宙旅行は、沈滞する日本経済を甦らせることもできたでしょう!

 1990年代は、日本ロケット協会による宇宙旅行事業計画、「観光丸」プロジェクトなどが立ち上がり、宇宙旅行事業の研究では日本が世界でトップレベルの研究を行っていたのです。!

 しかし、その後、日本が世界に誇る経済に効果の高い宇宙旅行事業の研究を守る為に宇宙政策責任者はいったい何をしてきたでしょうか?

1996年、NALは宇宙旅行に関する全ての研究を中止。
*NAL=ナル、航空機や宇宙機などの技術を研究開発をしていた組織。2003年JAXAに統合される。
2001年、NASDAも同じく中止。
  *NASDA=ナスダ、スペースシャトルで宇宙飛行士を宇宙へ送ったり、H2Aロケットを打ち上げたりしていた組織
2003年、政府はISASが開発・運用する再使用型ロケットRVTの予算を増やすさず、RVTをJAXAの管理下へ配置。
  *ISAS=アイサス、宇宙科学研究や科学探査衛星、ロケットなどを研究開発していた組織
  *JAXA=ジャクサ、昨年、NASDAとISAS、NALが統合してできた日本最大にして唯一の政府宇宙局
同年、中国が日本に先立って、有人宇宙活動を達成。
2004年、ISTS 04において、これまで大盛況だった全ての宇宙旅行に関するセッションを中止。
  *ISTS=日本で最大の国際宇宙会議
 
 このようにして宇宙開発費の2兆円が使われている間に、宇宙旅行に関する研究は衰退し、日本が世界の宇宙旅行研究のリーダーだった時代は過ぎ去り、何もなくなりました。

 一方でアメリカや世界ではANSARI X PRIZEコンテストなどで民間宇宙旅行事業が注目され、世界中が宇宙旅行に向けた研究や開発を本格化しているのです。

 信じられないでしょう。信じたくないけれど全部事実です。日本の宇宙旅行の研究成果が、海外で利用されているのに、日本には何も残っていないのです!宇宙政策の責任者は若い世代にとって希望のあるものに対して、数%でも宇宙予算を使うことを拒否しています。

 彼らは宇宙旅行に代わる何を若者に与えているでしょうか?
 アメリカに住むJAXAの宇宙飛行士は日本の学生に向かってあまいことだけを言います。
 「宇宙飛行士になりたいですか?」彼らはよくこう言いますが、ほとんどの人は宇宙飛行士になれっこないことを知っています。
 1億3千万人いる日本人の中で、宇宙飛行士は数える程しかいません。
 どれほど成績優秀で、努力をした人でも宇宙飛行士になれる確率は宝くじを買うよりも低いのです。
 政府は経済的に危機に瀕している状態でも、宇宙飛行士の仕事は経済的な価値をほとんど持たないから、宇宙飛行士の人数を増やす必要は無く、これではいつまでたっても宇宙飛行士の数は増えないでしょう。

 今まで政府は4兆円を宇宙産業に投資したけれど、その多額の投資した額を回収できる見込みのあるだけの大きな宇宙ビジネスはまだなく、現在の宇宙ビジネスがもたらした経済効果は衛星などの市場を合わせても僅かに一千億円程度です。
 それに比べて、年に百億円、いわゆる宇宙開発予算の5%だけを若い世代の支持する宇宙旅行事業活動に使えば、数兆円規模の大きなビジネス市場が生まれます。
 投資としてどちらが有望でしょうか?そうなれば、高々百億円の開発費への投資など誰も多すぎるとは言えないでしょう。

 宇宙へ行ったことのある人々は皆、「生まれてから最高の体験だった」と言います。それはどんな宇宙飛行士も口をそろえていっており、 日本人で初めて宇宙へ行った秋山豊寛宇宙飛行士もそう言っています。

 しかし、日本の政府宇宙局の宇宙飛行士は日本ではなく、アメリカに住み、冷戦の象徴といえるNASAで、日本ではなくNASAの代表のように働いています。

 またこの有人宇宙活動をするために、政府は毎年数百億円をNASAに払います!信じられない金額でしょう?この予算の1年分だけでもいいから、宇宙旅行事業開発に使うことができれば、宇宙丸号を造って、数万人が宇宙旅行を体験するビジネス市場を作ることができるのです!
 日本国民全員のためのお金の使い方としてどちらが良いでしょうか?当然、国民みんなが体験できる日本の宇宙旅行でしょう?

 「準軌道旅行は可能ですが、一人1000万円以上にになるだろう」と言いますが、これはナンセンスです。この見積もりはロケット屋さんが行った計算ですが、航空産業のやり方で計算を行えば、最終的には一人数十万円まで安くすることができます。
 このようにして大規模なビジネスになり、準軌道へのサービスは、軌道へのサービスへ発展していくことになります。

 私達には宇宙でたくさんのやりたい事があります。若い世代なら新しい宇宙文化を新しい環境に作りあげることができますので、新しい文化は若い世代にお任せ下さい。
 例えば、宇宙飛行士ではなく宇宙版スチュワーデスである民間のスペースツアーコンダクター(スペコン)と言う職業を創り出すかもしれません。
 宇宙の旅をお客様に案内するスペコンの仕事は断然面白く、これからスペコンを職業とする人はドーンと増えるかもしれません。
 宇宙船のパイロットから、宇宙ホテルのデザイナー、宇宙ホテルの窓ガラスを拭く会社など無数のビジネスを生み出すことでしょう。
 準軌道宇宙旅行サービスの開発は、日本の宇宙産業が真に経済に貢献する最大にして最後のチャンスです。

 アメリカの軍隊のような宇宙文化を真似ることは日本にとっては全然面白くありません。
 日本は、日本流の経済効果の高い宇宙文化を生み出すべきです。 近隣のアジア諸国の中で、私達若い日本人はポップスやアニメ、漫画などの産業のリーダーです。同じように、これから大事なビジネスになる宇宙観光産業のリーダーになれるはずです。

 ですから、宇宙政策のリーダーたちへ一つのお願いがあります。
 政府が毎年使ってい約80兆円のうち、若い世代が宇宙産業のためにここで提案してる金額は年間100億円だけです。
 すなわち8千分の1だけ ― 0.0125%だけ ― または、政府の支出の1時間分だけ ― これを準軌道宇宙旅行の為に使って下さい。
 このお金が生み出す新産業は、21世紀で最も重要な新産業の芽となる自信を持っています。
 現在の前例がない長引く「新産業不足の不況」の中で、これはとても大切なことでしょう。
 観光旅行に基づく宇宙での経済発展は21世紀の重要な経済基盤の1つとなり、大きな新産業になります。
 日本の若い世代にとって、最大の魅力のある最後のチャンスです。

  日本中の皆さんが宇宙へ行けるようになるのですよ!

  どうかお願いします。

 
2004年6月3日
www.uchumaru.com